「都市観光」の難しさ。

都市観光は都市の有する歴史的、文化的遺産を活かした都市観光の創設、現代都市としての機能、娯楽、商業、サービス等を観光資源と位置づけることができる。

名所・旧跡を見るといった従来型の「観光」ばかりだけでなく、芸術、アミューズメント、ショッピング、飲食を楽しんだり、その都市の町並みや文化遺産など歴史・文化に触れたり、市(いち)などを訪れ市民の暮らしに接し、地域の人々と交流するなど、都市の様々な魅力を体験する事を総称した概念、又、その活動。アーバンツーリズムと呼ぶ事もある。

比較的新しい概念であるが、最近、大都市を中心に政策目標に掲げる地域や地方自治体もみられるようになってきた。

Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%BD%E5%B8%82%E8%A6%B3%E5%85%89

機会があって、札幌市と宇都宮市のシティセールスに携わっている方にお会いしたことがあるのだが、両市の方が共通しておっしゃっていたのが、「知名度はあるし、人は来てくれるのだが、宿泊に結びつかないため、なかなかお金を落としてくれない」ということであった。

札幌といえば「雪まつり」というキラーコンテンツを抱えている上に、豊富な海の幸から、札幌ラーメンやスープカレーといったB級グルメまで、様々な美味しい食べ物があり、そして、「すすきの」もある(笑)。傍目には観光で困っているとは到底思えない。
しかし、一般の観光客というのは、新千歳空港から札幌を経由して、旭川動物園に行ってそこで一泊したり、富良野に行って一泊したり、スキーに行って一泊したりというように、札幌というのは、あくまで「経由」する都市になってしまっているとのことであった。

宇都宮といえば、「餃子」が全国的に有名だが、餃子を食べるためだけに泊まる人はさすがにいない。首都圏なら日帰りも十分に可能だし、宇都宮に寄って、日光や那須塩原に行く人が非常に多いようだ。
そもそも餃子って単価安いし。本場の餃子屋さんは餃子だけでビールもご飯も出ないから、どれだけ客単価安いのかと。

まあ、観光は行政圏域で考えるべきではなく、広域的に考えるものという考え方もあるし、下関市高山市のように、市町村合併により地域を一体的にアピールするところも出てきていることもあるので、都市を単位とすることにどこまで意味があるかは議論の余地はあると思う。

しかし、京都とまではいかなくても、日本でも「都市観光」が単体で成り立つ都市がもっとあってもいいのではないかと、個人的には思っている。

この問題については、引き続き考えていきたい。