「地方都市で働く」ということ

最近、東京の某民間シンクタンクに勤める後輩が、東京から松本に引っ越した。

奥さんが松本の大学病院に勤務しているとかで、押し切られたらしい(笑)。

会社には週2回くらい行って、あとは自宅で仕事をしているようだ。
もっとも、そのことはクライアントには内緒らしいが・・・

新宿から2時間半はしんどいとはいっていたが、まんざらでもなさそうだ。
もっとも、その後輩は免許を持っていないので、日常生活に支障がないかは謎なのだが・・・

その後輩の同期は、昨年、東京の某大手派遣会社を辞め、鳥取のITベンチャー企業に転職した。前職ではIT技術者の派遣をやっていたので連続性はあるようだが、鳥取と東京を行ったり来たりの生活を送っている。

別の友人にもフリーの翻訳者/編集者/ライター(名刺には「クリエイティブプランナー」って書いてある)がいて、彼も広島在住で自宅をメインに仕事をしているが、「仕事をする分には全く支障はない」と言っていた。
(もっとも最近は東京に居ずっぱりのようだが…)

彼らの仕事は情報や人脈が必要な仕事であるのはいうまでもないが、
ITの普及により、ある程度の都市であれば、「情報」の面での差はなくなった。
業種にもよるが、どこにいても仕事ができるようになったのではないか。
そして今後も、こうしたSOHO的なスタイルで働く人は増えるものと思われる。
現にアメリカは、ホワイトカラーの自営業の割合はかなり大きいと聞いているし、日本も近い将来そうなるものと考えられる。

地方都市のメリットは何か。
これはやっぱり圧倒的に「住みやすさ」だろう。
首都圏に比べれば同じ値段で圧倒的に広い家に住めるし、通勤も楽(自宅勤務ならしなくていいし)。
食べ物も安くておいしいものが食べられるし、物価自体が安い。

地方都市のデメリットとして、よくクルマ依存の問題が挙げられるが、
これも東京大学大西隆教授(国土計画・都市計画)によれば、
電気自動車による環境負荷の低減や、
将来的にはテクノロジーの発達による自動運転などにより、
解決できるのではないかとされている。

って長々と書いてきたが、賢明な読者はおわかりだろう。
そう、単に僕が羨ましいだけなのだ(笑)。
僕が育った静岡は東京から1時間。なのに空気も水も魚も美味しい。富士山も毎日見える。
住んでたのは割と市街地だったので、生活圏は全部自転車だった。
つまんねー会議とか打ち合わせをなくせば、今僕がやってる仕事はSOHOでも絶対できる。
会社の書庫にある資料は仕事に不可欠だけど、これは近い将来kindleiPadが解決してくれるはずだ。

でもこういう働き方が増えると、暮らしはもっと快適になる。それに地方都市だって元気になるはず。
ならまずはお前がやれよって話だけど、ウチのような官公庁系が一番堅いんだよなあ…こういうのって、本来はパブリック・セクターが率先してやるべきだと思うけど。

特に総務省は地方活性化とICTを所管してるんだから、真っ先にやるべきだと思うのだが。