「クラウドコンピューティング」と僕の学生時代

今流行りの?クラウドコンピューティング
実は、何がすごいのか、いまだによくわからない。
もちろん概念はよくわかるのだが、何がわからないって、何が新しいのかである。

Wikipedia

従来のコンピュータ利用は、ユーザー(企業、個人など)がコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、データなどを、自分自身で保有・管理していたのに対し、クラウドコンピューティングでは「ユーザーはインターネットの向こう側からサービスを受け、サービス利用料金を払う」形になる。

ユーザーが用意すべきものは最低限の接続環境(パーソナルコンピュータや携帯情報端末などのクライアント、その上で動くブラウザ、インターネット接続環境など)のみであり、加えてクラウドサービス利用料金を支払う。実際に処理が実行されるコンピュータおよびコンピュータ間のネットワークは、サービスを提供する企業側に設置されており、それらのコンピュータ本体およびネットワークの購入・管理運営費用や蓄積されるデータの管理の手間は軽減される。

僕は学生時代に社会調査データの統計解析をしていたのだが、
それが1996〜2001年くらい。
そのときも研究室のMacから大学の中央計算機(UNIX環境)にリモートアクセスして、プログラムを動かしていた。
理系大学だったので、当時から一人一台の環境ではあったが、研究室に入ったばかりの頃は下っ端なので、スペックのしょぼい端末しか与えられなかった(笑)。
当時はiMacはおろか、Powermacの前、確か↓この機種だった気がする。
http://www.mac-rescue.net/spec/1994/lc630.html

そうするとどうなるか。
そう、とにかくソフトが動かないのだ。
Wordなんて重いソフトは当然動かないので、ワープロは「Wordperfect」っていうマックの専用ソフト。
Excelは当時4.0(今の2007はver.12)。当時は1つのファイルに1つのワークシートしかなかったんですよ!
(ちなみに、Excelって、Windowsの前、マイクロソフトの主力がMS-DOSだった時にマックのために開発されたソフトなんですよ。知ってました?)

※余談ですが、インターネットとメールはその頃からちゃんとした環境でした。当時はサイト自体が少なかったけどね。

というわけで、文字を打ったりするのはテキストエディタ
だからその頃の統計解析はこんな感じ。

PCからASKIIコードで入力した調査データを学内ネットワークで中央計算機に送る。
       ↓
PC上で集計したいプログラムをSAS(Statistical Analysis System)のコマンド形式で書く
       ↓
書いたプログラムを学内ネットワークで中央計算機に送る
       ↓
UNIXコマンドで送ったSASプログラムを実行するよう命令する
       ↓
中央計算機にインストールされているSASがプログラムを実行する。
       ↓
中央計算機に集計結果のファイル(テキスト形式)が出力される
       ↓
中央計算機にある出力を学内ネットワークでPCにダウンロードする
       ↓
結果を見る

という、非常に面倒なことをしていたわけです。
もっとも、学生時代の後半は就職した先輩が自分のサーバでSASをインストールしてくださっていたので、自宅からインターネット経由で上記プロセスができるようになり、便利ではあったのですが。

それが、僕が就職した頃からPCのスペックが上がるにつれて、統計解析もPC上のSPSSで行うことが多くなっていきました。
SPSSはメニューバーから統計解析のメニューが選べるので、革命的に楽になったのです。
確かにSPSSは昔からあったけど、90年代のSPSSは一つの分析に1時間くらいかかることもあったのです。
それが、PCのスペック向上で瞬時にできるようになったわけです。

こういう経験をしていると、「クラウド」という、ネットの「向こう側」でアプリケーションを動かすなんて、今さらかと思ってしまう。
確かに、コストダウンとか、高度な処理とかあるのかもしれない。
でもコストだって、大学の中央計算機も大学が払ってくれてただけで、結構なお値段はしていたはず。
そう考えると、コストダウンっていうのも、商売上の口上なのでは?とつい疑ってしまうし、「革命的な変化!」とかいわれると、「そんな大したものかよ!」って懐疑的になってしまう。

なので、具体的な事例を見るまでは、何とも言えないです。